高度先進医療の一翼を担うのが、放射線部門の役割です。
当院ではIVR専門医である常勤医師1名、読影専任として4名の非常勤医師と18名の診療放射線技師が勤務しています。
検査機器として、CT2台、MRI2台、心臓カテーテル専用装置2台、多目的血管装置1台、核医学(SPECT)1台、をはじめ一般X線装置2台、X線TV装置1台、マンモグラフィー装置、骨密度測定装置など診断装置が24時間体制で稼動しています。
トモセラピー TomoTherapy(放射線治療)

放射線治療機器(トモセラピー)が搬入され2011年10月より稼働しています。
トモセラピーとは、CTと放射線治療機器が一体化された装置です。
その複雑な動きや計算を制御するコンピューター・システムとで成り立っています。
マンモグラフィー

乳腺専用のエックス線撮影とその装置のことです。腫瘍の有無、形状、サイズ、石灰化などを調べます。
最大の特徴は触診では触れないほどの小さなしこりも乳癌の初期サインである微小石灰化として描出可能なことです。撮影方法は、片方ずつ撮影を行ないます。その際正常乳腺としこりなどの病変部との差をつけて見えやすくするために圧迫板にて乳房を平たく薄くのばして撮影します。(その時に痛みを伴うこともあります)一般撮影同様こちらもFPDを導入しました。
当院では女性技師にて検査対応させていただきます。
一般撮影
一般撮影は骨折・関節痛などによる四肢の撮影のほか、胸腹部・椎体などの体幹部から全身の撮影を行なえます。より詳しく検査するために、部位によっては多方向から撮影し診断価値の高い画像提供を行なっております。また今回新たにFPD(フラット・パネル・ディテクタ)を導入し、従来のものより短時間でさらに高精細な画像を提供できるようになりました。さらにFPDの特徴として従来のものより被ばくを低減することができます。

骨密度検査
骨密度の不足から骨粗鬆症やそれに伴う骨折など高齢の女性に多く見られます。
予防のためにも骨密度を知ることが第一歩です。
2013年に新たに導入された骨密度測定装置は腰椎(脊椎:せきつい)と大腿骨頚部(あしのつけ根)の骨密度を計測します。これは2006年の『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン』に推奨される部位で骨密度測定を行う事により診断・治療の精度が向上されるように成りました。

x線テレビ

X線で人体を透視しながら検査を行ないます。脱臼や骨折などの整復からバリウムを用いた胃・大腸などの消化器管の検査や他にもX線に写る様々な薬剤を用いて尿路系、肝胆道系、脊髄等の検査も行なえます。一般撮影と同じくFPDを搭載しております。
CT
320列と80列の二台のマルチスライスCTが稼動しています。
従来の頭部、胸部、腹部CTに加えて心臓(冠動脈)CTや脳血管CTなど三次元CTの件数が増加しています。
心臓(冠動脈)の造影検査はカテーテル検査でしかできませんでしたが、CTの技術向上に伴い心臓領域の検査が可能となっています。
7〜10秒の息止めが必要で検査時間は約20分です。
主に脳動脈瘤の有無、位置、サイズ・形状など。

(1)を例に挙げますと、救急搬送後CT検査したところ「くも膜下出血」を認めさらにくわしく検査をすると動脈瘤が見つかりそこが破裂していることが分かっています。
MRI
1.5テスラと3テスラの二台が稼動しています。
頭部・腹部・脊椎など人体の断層像をあらゆる角度で撮影できすべての領域の診断に欠かせない有用な装置です。
最近では、造影剤を用いて濃度や信号の経時的変化から脳循環を解析する検査法(MRパフュージョン)やMRIでの認知症検査(VSRAD)も増えつつあります。


認知症の画像を見ると、左の正常より黒い隙間が目立ち、脳が萎縮していることが分かります。
早期で軽度の萎縮の場合、通常のMRI検査では評価が難しいとされていました。VSRADでは脳の中でも記憶を担当する海馬がどの程度萎縮しているか、%表示し、萎縮程度をカラー表示することによって、軽度の萎縮も評価しやすくし、認知症の早期診断を補助することができます。

RI(核医学検査)
きわめて微量の放射線を発生する「放射性医薬品」を体内に投与して特定の臓器・組織に集まる性質を利用し、そこから出る放射線を特殊なカメラを用いて画像にする検査で主に血流量や代謝機能を調べます。
脳血流シンチ・心筋シンチ・骨シンチ・腫瘍シンチなど。

血管撮影(心臓カテーテル専用:二台、DSA:一台)

心臓カテーテル検査
循環器科が扱う狭心症や心筋梗塞等の虚血性心疾患の患者さんの検査あるいは血管拡張術・ステント留置術・血栓溶解療法等の治療を行います。
また不整脈科による心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)も行われます。

DSA(多目的用血管撮影)

この装置では頭部・頚部・腹部等全身の血管を造影することができます。
X線信号をデジタル化し造影剤注入前と注入後の画像を差し引きし血管のみが鮮明に描出され少ない造影剤で検査ができリアルタイムで撮影像が見られます。
脳血管造影や腹部血管造影やシャント静脈造影とそれらの塞栓術や拡張術を施行します。
