臨床工学科

概要

1975年(昭和50年)10月1日に徳洲会で2番目の病院として開院、2006年(平成18年)に現在の谷川町に新築移転、それに伴い臨床工学科が設置されました。
2018年4月時点において臨床工学技士17名(男性15名、女性2名)、平均年齢30歳と比較的若い人員で構成されています。7階のスタッフルームおよび2階の医療機器管理室を起点に他部署と連携を図りながら様々な業務に従事しています。

  • ・1995年4月1日、臨床工学技士採用(看護部人工透析室所属)
  • ・2000年より技士3名体制
  • ・人工透析業務のみならず、人工呼吸器を中心としたME機器管理をはじめ、内視鏡、手術室、心臓カテーテル業務に対応。
  • ・2002年10月より技士5人体制、看護部より独立し、臨床工学科を新設。以後、徐々に人数および業務を拡大。

特徴

臨床工学技士業務の観点から見た当院は循環器業務が主体であり、2017年の実績では人工心肺件数の72%、心臓カテーテル件数の25%が緊急症例です。そのため当院の臨床工学技士は人工心肺業務もしくは心臓カテーテル業務のスペシャリストになることを目標にしている者が多い特徴がありました。しかし人工透析室を中心とした血液浄化業務、ME室や病棟ラウンドでのME機器管理業務、RSTを主体とした呼吸療法業務にも重点を置き、それらのスペシャリストも目指せる体制を構築しました。さらに内視鏡業務やペースメーカ業務など対応業務は多岐にわたっています。

技術や知識の習得は勿論のこと、各種の認定士取得にも力を入れ、常に臨床工学科のレベルアップを目指しています。

業務はチームによる担当業務体制をとりながらも、各々が技術習得により複数のチームに所属することで対応業務が広がり、対応可能業務の範囲内で日替わりローテーションを行っています。ハードではあるがやりがいのある職場だと自負しています。勤務は日勤のほかに準夜勤務、当直勤務、遅出勤務、早出勤務など状況に応じて対応しています。

今年度は手術室勤務および集中治療室勤務の参入、透析室の拡張等を検討しており、さらに臨床工学技士の活躍の場を拡大していく予定です。

業務内容

人工心肺業務

心臓手術時の人工心肺の操作およびECMO・IABP等の補助循環の操作を24時間、365日体制で対応しています。その為に他院からの緊急要請も多く、疾患類別では大血管疾患6割に達するのが当院の特徴です。夜間および休日には人工心肺待機者(待機手当を付帯)2名を選定して対応しています。
また体外循環技術認定士の取得にも積極的に対応しており、理論の伴った知識および技術の習得を目指しています。

心臓カテーテル業務

冠動脈カテーテル検査および治療時の清潔介助、IVUSやFFRの操作と計測、血行動態監視などを行っています。他院に比して高度な清潔介助操作が求められており、チーム医療の一員として大きな役割を担っています。心臓カテーテルチームは24時間365日対応を行っており、夜間および休日には待機者2名(待機手当を付帯)を選定して対応しています。

血液浄化業務

人工透析室27床での血液透析をはじめ、持続血液濾過透析や血液吸着、血漿交換、腹水濾過濃縮などの特殊血液浄化療法にも対応しています。透析装置の点検及び消耗品の交換を定期的な計画を立てて実行しています。
また透析液の水質管理も確実に行い、安全なon-line HDFの実行に寄与しています。
維持透析においては看護師と共に長期合併症対策、シャント管理などを協働して、明るく楽しく、厳しいながらも和みのある透析室を運営しています。現在は最大40床への増床計画が進行しています。

ペースメーカー業務

ペースメーカ外来においてアナライザーを用いた不整脈の解析業務を行い、適切で負担の少ない状態へとペースメーカの設定変更を行っています。 またペースメーカ植え込み患者のMRI撮像時および手術時の設定変更にも対応しています。ペースメーカは多くのメーカーが存在し毎年複雑化している中、メーカー別の担当制にすることにより各社のペースメーカに対応可能な状況を維持しています。
近年は遠隔操作モニタリングも盛んになり、さらに臨床工学技士の活躍拡大が期待される業務です。

内視鏡業務

2016年9月に臨床工学技士業務指針が公開され、さらに活躍の場が広がりました。当院でも上部および下部の内視鏡検査および処置を施行する際のスコープや周辺機器の準備、検査治療の介助、内視鏡関連機器の管理をしています。

ME機器管理業務

医療機器(人工呼吸器、輸液ポンプ、シリンジポンプなど)の病棟への貸し出しや、返却後の日常点検、病院内を巡回しての使用中点検を行っています。また主要な医療機器に対しては医療機器安全管理委員会と協同し、定期点検の計画策定と実行を行っています。メーカー主催のメンテナンス講習会に積極的に参加し、可能な限りの点検及び修理を行い、経費削減を心掛けています。ME機器の新規購入時の機種選定の助言および購入時の使用説明会の開催も行っています。

患者移送業務

循環器系の疾患が疑われる患者および人工呼吸器もしくは補助循環装置の装着が必要と思われる患者の搬送搬入時は救急車に同乗し、患者および機器の管理を行っています。臨床工学技士が同乗することにより、機器管理等の安全性向上に寄与するだけでなく、患者状態の把握と伝達を早急に行い、到着前からの検査および処置の準備を可能としています。

呼吸療法サポートチームの参画

院内の人工呼吸器療法の安全性の向上と適切な治療の提供を目的に、他職種連携による呼吸療法サポートチームに参画しています。
毎週水曜日の午後に医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士の4職種でカンファレンスと回診を行っています。各職種の人工呼吸に対する相互理解を深める環境が継続されことにより,院内全体の呼吸療法スキルのボトムアップが図られるとの考えから、コストに関係なく、可能な限りの人工呼吸器装着患者を対象としています。さらにチームメンバーに関係なく、職員の誰もがいつでも参加できるように門戸を大きく開いています。
その他の活動として、院内統一マニュアルを作成し、それに基づいた勉強会の開催を積極的に行っています。日本呼吸療法学会と日本呼吸ケア・リハビリテーション学会合同によるRSTとして認定されています。

カンファレンスおよび部署内勉強会

業務上において疑問となった事柄、周知したい症例や経過報告、最近知り得た知識などを議題として、毎朝にミニ症例検討会を行っています。
知識の向上だけでなくプレゼンテーション技術の上達をも期待しています。 また業務終了後の部署内勉強会も活発に行い、レベルアップと知識の共有を図っています。

実績

2018年 2017年 2016年 2015年
人工心肺症例数 83 75 118 159
ECMO症例数 14 10 15 34
IABP症例数 30 17 29 44
CAG症例数 105 120 230 217
PCI症例数 292 149 274 440
PMI等 その他カテ症例数 61 45 70 168
特殊血液浄化(のべ日数) 251 315 653 802
上部内視鏡検査件数 2997 2052 2284 2002
下部内視鏡検査件数 867 891 882 860
PM外来 のべ患者数 290 269 247 269
ME機器日常点検件数 7355 4700 1965 1541