研究活動

分子標的治療研究部

概要

特定の臓器や組織に薬剤等を効率的に輸送するための標識としてペプチドタグが注目されてきた。これらのタグは、特定の臓器や組織に対して特異的結合を示し、タグで修飾された薬剤等を効率よく標的臓器や組織に輸送するのに重要な役割を果たす。ウイルスベクター、ナノ粒子、小分子などの新しい治療薬が開発される一方、副作用を最小限にするため、臓器特異的タグの存在が益々重要になっており、ヒトへの臨床応用を前提としたより高い特異性かつ強いアフィニティを持つタグが求められている。

現在までに、特定の臓器や組織に高い集積能を示すペプチドが多数報告されている。しかしながら、これらの中で心臓や骨格筋に特異的なペプチドは少なく、実際に、心疾患の遺伝子治療に用いられるアデノ随伴ウイルス(Adeno Associated Virus, AAV)に応用できるペプチドは限られている。すなわち、心疾患や難治性筋疾患治療に対して、従来のペプチドを持つAAVを用いた遺伝子治療の研究には閉塞感があり、特異性が高く、強いアフィニティを持つ新規ペプチドの必要性が高まっている。このような観点から、従来のファージディスプレイの手法を改良し、培養細胞ではなくマウスを用いてファージライブラリーを展開し、心臓組織から12個のアミノ酸より成るペプチド(Heart Specific Binding Peptide, HSBP)を分離した。HSBPは既知の心臓や骨格筋に特異的なペプチドとは全く異なったアミノ酸配列を持ち、HSBPを発現しているファージはコントロールペプチドを持ったファージと比べ、心臓組織に対して58倍、骨格筋組織に対して21倍もの局在性を示し、他臓器では1.1倍程度という顕著な組織特異性と強いアフィニティを示した。さらに、抗M13ファージ抗体を用いた免疫染色の結果、このペプチドは血管やその周辺には偏在しておらず、それぞれの筋肉組織全体に万遍なく多数分布していた。

現在までに、特定の臓器や組織に高い集積能を示すペプチドが多数報告されている。しかしながら、これらの中で心臓や骨格筋に特異的なペプチドは少なく、実際に、心疾患の遺伝子治療に用いられるアデノ随伴ウイルス(Adeno Associated Virus, AAV)に応用できるペプチドは限られている。すなわち、心疾患や難治性筋疾患治療に対して、従来のペプチドを持つAAVを用いた遺伝子治療の研究には閉塞感があり、特異性が高く、強いアフィニティを持つ新規ペプチドの必要性が高まっている。このような観点から、従来のファージディスプレイの手法を改良し、培養細胞ではなくマウスを用いてファージライブラリーを展開し、心臓組織から12個のアミノ酸より成るペプチド(Heart Specific Binding Peptide, HSBP)を分離した。HSBPは既知の心臓や骨格筋に特異的なペプチドとは全く異なったアミノ酸配列を持ち、HSBPを発現しているファージはコントロールペプチドを持ったファージと比べ、心臓組織に対して58倍、骨格筋組織に対して21倍もの局在性を示し、他臓器では1.1倍程度という顕著な組織特異性と強いアフィニティを示した。さらに、抗M13ファージ抗体を用いた免疫染色の結果、このペプチドは血管やその周辺には偏在しておらず、それぞれの筋肉組織全体に万遍なく多数分布していた。

さらに、このHSBPをペプチド合成し、そのN-terminusをFITCでラベルした。それをマウスの横紋筋細胞由来のC2C12とインキュベートし蛍光免疫染色を行った。コントロールペプチドではほとんど蛍光が見られないのに対し、HSBPでは緑色の蛍光が顕著に見られた。このことは、さらに、F-actinをPhalloidinで赤く、さらに、核をHoechstで青く染め、バックグラウンドのC2C12細胞とこれらを重ね合わせるとこでFITCラベルの緑色に蛍光発光するHSBPが細胞上に多数存在していることが示された。このことは、HSBPがより効率的に心筋や骨格筋に治療薬をデリバリーする可能性を示唆している。これらの結果から、我々の発見した新規のHSBPは、心疾患や難治性筋疾患に対するドラッグデリバリーシステムを大幅に改善する可能性があると期待される。

我々の研究部門は、心疾患や難治性筋疾患の治療に応用可能なこのペプチドを用いて、ヒトへの臨床応用をファイナルゴールとし、動物実験を通してAAVを始めとしたドラッグデリバリーシステムの確立を目指している。